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論文

Preparation and characterization of CMC-Konjac mannan mixture gel

笠原 崇光*; 瀧上 眞知子*; 長澤 尚胤; Prawitwong, P.*; 瀧上 昭治*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(4), p.927 - 930, 2008/12

水溶性の高分子量体であるコンニャクマンナン(KM)の水溶液は粘性が高いため、加工性が悪いといった問題点がある。そこでKMの粘度を調整するため、KM粉末をガラスアンプルに入れ真空中で所定線量(1, 2, 4, 10, 20, 30kGy)の$$gamma$$線照射によって分解した。放射線分解したKMの利用を考慮し、酸処理により形成するカルボキシメチルセルロース(CMC)ゲルに柔らかさを付与するために放射線分解したKMを混合し、そのブレンドゲルの物性について評価した。ブレンドするKMの分子量は、$$gamma$$線照射により11.7$$times$$10$$^{5}$$から1.0$$times$$10$$^{5}$$に低下した。低分子量化したKMの2%水溶液にCMC粉末を混合し、高分子濃度が10%の水溶液に調整し、0.5Mの塩酸で8, 16, 32, 64時間処理した。KMをブレンドするとヤング率や破壊強度が高くなり、KMをブレンドして64時間酸処理するとCMC単独ゲルと比較して破壊強度が3倍大きくなることを見いだした。また、酸処理時間が16時間の時に最も強度が高くなることがわかった。CMCゲルに柔らかさと高強度を付与することができた。10kGy照射して分子量2.2$$times$$10$$^{5}$$を有するKMをブレンドした場合にはCMC単独ゲルより破壊強度が若干低下した。ブレンドするKMの分子サイズがCMC分子鎖との絡み合いと酸処理によるCMCゲルの凝集構造形成に関連していることがわかった。

論文

Ion-irradiation effects of hydrogen absorption in palladium metal

米田 安宏; 田村 和久; 阿部 浩之; 大島 武; 森本 亮*; 内田 裕久*; 水木 純一郎

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(4), p.1053 - 1056, 2008/12

水素吸蔵合金であるパラジウムの特性を改変するためにN$$^+$$イオン照射を行い、エッチングなどによる表面改変に比べ大幅に改善されることがわかった。このしくみを理解するために表面構造を電子顕微鏡で、またミクロスコピックな構造を放射光X線を用いて調べた。N$$^+$$イオンはパラジウム金属中に留まることはないため、イオン照射時に生じる格子欠陥が水素吸蔵過程に変化をもたらしていると考えられる。SEM観察からは金属パラジウムの表面自体は照射前から圧延時の痕跡が見られ、照射による表面積の拡大が水素吸蔵に影響を与えているとは考えられない。したがって、X線によって明らかとなった格子欠陥によるミクロ構造の変化が本質的に水素吸蔵量と関係していると考えられる。

論文

Effects of catalyst on gasochromic properties in tungsten oxide films

井上 愛知; 山本 春也; 永田 晋二*; 吉川 正人; 四竈 樹男*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(4), p.1127 - 1130, 2008/12

光学式水素センサー用素子の改良を目的に、ガスクロミック酸化タングステン膜の着色特性に及ぼす触媒の堆積量及び構造の影響を調べた。試料として用いた非晶質酸化タングステン膜は反応性RFマグネトロンスパッタ法を用いて、アルゴン及び酸素雰囲気中でタングステンをスパッタすることで作製した。触媒として用いたパラジウム及び白金はアルゴン中で堆積させた。堆積時間を変化させながらシリコン単結晶基板上に堆積させた触媒を走査型電子顕微鏡で表面観察を行ったところ、パラジウムの場合では2nm、白金の場合では0.2nmに相当する堆積量のときに、着床した微粒子が一様な膜構造を形成することがわかった。堆積量を変えた触媒を非晶質酸化タングステン膜に堆積させ、1%の水素を含んだ窒素ガスに曝したところ、膜構造の触媒を有する酸化タングステン膜が高い着色特性を示した。

論文

Synthesis of ceramic nano fiber from precursor polymers by ion beam irradiation

杉本 雅樹; 吉川 正人; 佃 諭志*; 関 修平*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(4), p.1027 - 1030, 2008/12

MeVオーダーのイオンビーム照射により、前駆体高分子材料からセラミックナノファイバーを合成する新規合成法及びその形状制御法を開発した。SiCセラミックスの前駆体高分子であるポリカルボシラン(PCS)の薄膜にイオンビームを照射すると、その飛跡に沿ってナノオーダーの架橋部が形成され、未架橋部を溶媒で除去することで直径数十ナノメートルの高分子ナノファイバーが得られた。これを不活性ガス中、1000$$^{circ}$$Cで焼成することで、SiCナノファイバーに転換でき、その耐熱性は1200$$^{circ}$$C以上であることが明らかになった。また、焼成で得られたSiCナノファイバーの直径は、イオンビームの線エネルギー付与及び高分子の分子量と架橋効率で、長さはPCS薄膜の厚さにより制御可能であった。

論文

Absorption of phosphate ion in swine urine using CMC gel

瀧上 眞知子*; 天田 春代*; 長澤 尚胤; 廣木 章博; 笠井 昇; 吉井 文男; 玉田 正男

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(4), p.849 - 852, 2008/12

世界におけるリン資源の枯渇や環境保全の目的である豚尿汚水からのリン除去が問題視されている。これらの問題を解決する手段として、カルボキシメチルセルロース(CMC)と鉄を原料としたゲルを作製し、豚尿汚水からリンを吸着する技術を開発した。三価の鉄イオンを用いるとゲル形成が急激に進むが、二価の鉄イオンでは、ゲル化しなかった。二価の鉄イオンでは、酸とともに加えることによりゲル形成することがわかった。得られたCMC/鉄ゲルは、約80mg/Lのリンを含む豚尿汚水から約97%除去することがわかり、家畜処理材として応用できる見通しを得た。

論文

Buried H monolayer at hetero-interface between highly mismatched Sr films and Si substrates

山崎 竜也; 朝岡 秀人; 武田 全康; 山崎 大; 田口 富嗣; 鳥飼 直也*; 豊島 安健*; 社本 真一

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(3), p.611 - 614, 2008/09

われわれはSrTiO$$_{3}$$のテンプレートとなるSrやSrO薄膜とSi基板との格子不整合の緩衝域として水素,重水素単原子バッファー層を挿入し、12%もの格子不整合を克服した薄膜成長に成功した。単原子のナノレベル緩衝域の存在で、このような大きな格子不整合を克服しヘテロエピタキシー成長が成立したケースは極めて稀で、このユニークな薄膜の界面構造を解明することによって、新たな異種物質接合形態を見いだせる可能性が高い。しかしこの埋もれた界面は、通常の顕微鏡的な方法による直接的な観測が困難なため、これまで成膜後も界面に水素単原子層が残存しているか否か未だ実験的検証が十分になされておらず、水素表面への吸着原子の影響や、安定性について不明な点が多い。本研究では、埋もれた微小領域の水素界面層を実測する目的で、水素界面層を重水素に置換し中性子に対するコントラストを変化させ、解析精度を上げた中性子反射率測定を行った。また同時に多重内部反射赤外分法(MIR-FTIR)法を用いて、その場観察による基板直上の埋もれた水素・重水素界面での原子振動・結合状態の精密評価を行っている。これら複合的な手法による埋もれた界面解析の試みを紹介する。

論文

Solution property of low molar mass Konjac mannan

真壁 岳史*; Prawitwong, P.*; 高橋 亮*; 瀧上 眞知子*; 長澤 尚胤; 瀧上 昭治*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(2), p.471 - 474, 2008/06

多糖類で水溶性グルコマンナンであるコンニャクマンナンは高分子量体であるため、低濃度の希薄水溶液でも高粘度を示す。食品,医療分野等のさまざまな分野に応用するうえで粘度を調整する技術が必要とされている。コンニャクマンナンを低分子量化することにより粘度を調整できるが、その溶液物性が非常に重要である。放射線あるいは酸による分解方法を用いて、その分解生成物の溶液物性について評価した。真空中で$$gamma$$線を照射すると、線量増加とともに分子量が低下し、初期分子量110万から10kGy照射で22万に低下した。粘性測定の結果から、高分子量のKMは、疑似塑性流動性を示すような非ニュートン流体であるのに対し、低分子量のKMはニュートン流体に変化した。これは溶液中でコイル構造を形成する限界分子サイズを有することを意味することがわかった。

論文

XAFS study of relaxor Pb(In$$_{0.5}$$Nb$$_{0.5}$$)O$$_3$$

米田 安宏; 安田 直彦*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(1), p.15 - 18, 2008/03

リラクサーPb(In$$_{0.5}$$Nb$$_{0.5}$$)O$$_3$$(PIN)はBサイトを占有するInとNbのオーダー状態によって異なる強誘電的性質を示すと言われている。そのオーダーパラメータはX線回折を用いて観測される超格子反射の強度が用いられているが、非常に鈍感で正確な物性を反映したオーダーパラメータとは言いがたい。そこで、新たなオーダーパラメータとなる物性値の提案として、相転移温度と吸収端エネルギーを提案する。相転移温度に関しては、LiNbO$$_3$$やLiTaO$$_3$$で既に用いられているが、同じように強誘電的性質の変化とともに相転移温度も変化していることがわかった。また吸収端エネルギーはorder or disorderしていると思われるIn, Nbではその変化はほとんど認められないが、Pb-L$$_{III}$$吸収端では物性値の変化とともにエネルギーがシフトしており、Bサイトだけでなく、AサイトのPbの状態にも注目する必要があることがわかった。

口頭

世界における食品照射の現状

久米 民和

no journal, , 

食品照射は、日本では国の特定総合研究として1967年から約20年間研究が実施され、馬鈴薯・タマネギ(発芽防止),米・小麦(殺虫),ウィンナーソーセージ・かまぼこ(殺菌),ミカン(表面殺菌)の7品目が取り上げられた。このうち馬鈴薯の照射だけが1972年に許可され、1974年から実用照射が世界に先駆けて開始された。以来30年以上に渡り実施されているが、馬鈴薯以外は許可されていない。一方、世界では香辛料を中心に実用照射が進められており、年間処理量は30万トンに上っている。FAO/IAEAの最新許可品目リストには57か国が登録されており、香辛料・乾燥野菜の照射は55か国が許可している。世界で最も多くの量の食品照射を実施している国は中国であり、14万トンが処理されている。米国は世界の食品照射をリードしてきた国であり、香辛料,肉類,果実の照射などを実施している。東南アジアでは、ベトナムでの処理量がここ数年急速に増大している。特に近年、果実の検疫処理を目的とした照射が、多くの国で実用化されつつある。

口頭

酸化タングステン膜のガスクロミズムへのイオン照射効果

山本 春也; 井上 愛知; 杉本 雅樹; 高野 勝昌; 永田 晋二*; 吉川 正人

no journal, , 

水素ガスと反応することにより光学特性が変化する酸化タングステンなどのガスクロミック材料は、光の反射・吸収の変化を計測して水素を検知する光学式ガスセンサーへの利用が期待されている。本研究では、三酸化タングステン膜の結晶構造とガスクロミック特性の関係を調べる目的で、多結晶構造の三酸化タングステン膜をイオンビーム照射することにより徐々に非晶質化させ、ガスクロミック特性への影響について調べた。実験では、石英基板上にスパッター法により形成した酸化タングステン膜(厚さ: 300nm)に350keVに加速したヘリウム及び酸素を最大1$$times$$10$$^{17}$$ions/cm$$^{2}$$まで照射して試料を作製し、X線回折法より膜の結晶構造を評価するとともに濃度1%の水素に曝したときの着色性能を調べた。その結果、イオンビーム照射により膜構造の非晶質化が進むとともに、ガスクロミック特性が向上する傾向が見られた。このことからイオン照射による膜の非晶質化に伴う欠陥形成等がガスクロミック特性に影響を及ぼすと考えられた。

口頭

Siイオンを注入した石英基板からの青色発光

三浦 健太*; 種村 豪*; 本美 勝史*; 花泉 修*; 山本 春也; 高野 勝昌; 杉本 雅樹; 吉川 正人

no journal, , 

溶融石英板にSiイオンを注入し、その後アニール処理を行うことでSiナノ結晶を作製した。Siイオンの注入実験は、イオン照射研究施設(TIARA)にて行った。Siイオン照射条件は、エネルギー80keV,照射量1$$times$$10$$^{17}$$ions/cm$$^{2}$$とし、室温で照射を行った。Siイオンを注入した1枚の溶融石英基板(10mm$$times$$10mm$$times$$1mm$$^{t}$$)をダイヤモンドワイヤーソーで4分割し、それぞれ1100$$^{circ}$$C, 1150$$^{circ}$$C, 1200$$^{circ}$$C, 1250$$^{circ}$$Cでアニールを行った。アニール処理は電気炉により空気中で行った。アニール時間はいずれも25分間とした。これら4つの試料をHe-Cdレーザ(波長325nm)にて励起し、室温におけるフォトルミネッセンススペクトルを測定したところ、すべての試料において、波長400nm付近をピークとする青色発光スペクトルが観測された。この波長をピークとする発光は、Siイオンを注入した石英材料からはこれまで観測されていなかった。1150$$^{circ}$$C以上のアニールにより、青色発光ピークのみを発現させることができ、このピーク強度は、アニール温度1200$$^{circ}$$Cで最大となった。

口頭

J-PARCの大強度パルス中性子源に設置計画中の偏極中性子反射率計の設計概要

武田 全康; 山崎 大; 曽山 和彦; 平野 辰巳*

no journal, , 

X線,中性子反射率法は、現在、薄膜や多層膜の中の表面や内部に埋もれた界面の構造を調べるために幅広く使われている。中性子はたいていの物質に対して透明であったり、軽元素や磁気に対する感度を有するなど、反射率計に使用するプローブとしては理想的なものである。しかしながら、既存の中性子源で利用可能な中性子の数は、放射光施設で得られる光子の数に比べて少ないため、中性子反射率計の有効性が少なくとも国内では認知されてこなかった。現在、大強度陽子加速器施設(J-PARC)の一部として建設中の物資・生命科学研究施設(MLF)では、世界で最も強度の高いパルス中性子源の建設が進んでおり、来春に中性子ビームの供給が始まる。われわれは、この施設への偏極中性子反射率計の設置提案を行い、一時審査に合格、現在、詳細設計を進めているところである。設計の際に想定している基本性能と設計の現状について発表を行う。

口頭

Effects of $$gamma$$-irradiation on mixtures of DNA and bovine serum albumin

斎藤 宏之*; 古澤 和也*; 土橋 敏明*; 長澤 尚胤

no journal, , 

デオキシリボ核酸(DNA)はダイオキシン類のような平面構造を有する化合物をインターカレーション(選択的挿入)によって吸着する。このインターカレーションを利用したDNA環境浄化材料を開発するためには、DNAを水に対して不溶化する技術が必要である。そこでサケ白子由来高分子量DNAと放射線架橋型生体高分子である牛血清アルブミン(BSA)との混合物に$$gamma$$線を照射してDNAを不溶化し、発がん物質であるアクリジンオレンジ(AO)の吸着特性について調べた。BSAの濃度を5-20%に変化させたDNAを0.5%含んだ混合水溶液を調製し、$$gamma$$線を照射した。室温で2日間、超純水に浸漬してゲル分率を測定した結果、線量が高くなるにつれて、ゲル分率が増加し、弾性を持ったゲルを形成した。線量が100kGyでBSA単独では濃度が20%でゲル分率が50%であるのに対して、DNAを添加した系ではゲル分率が約80%に増加し、ゲル化を促進することを見いだした。乾燥試料1gあたりに吸着されたAO量は、BSA濃度の増加により低下する傾向であったが、100kGy照射して作製したDNA/5%BSAハイブリッドゲルのAO吸着量は、最大で0.025gであった。

口頭

Carcinogen adsorbents prepared from aqueous mixtures of DNA with biopolymers by $$gamma$$-ray irradiation

古澤 和也*; 北 恵里香*; 佐伯 俊彦*; 長澤 尚胤; 西 則雄*; 土橋 敏明*

no journal, , 

遺伝子の本体であるデオキシリボ核酸(DNA)は発ガン性物質を吸着する性質を有するので、吸着材として作製するためにはDNAを水に不溶化しなければならない。放射線で橋かけする生体高分子と混合して$$gamma$$線照射による橋かけ挙動について検討した。鮭白子由来のDNAと放射線で橋かけする生体高分子としてゼラチン,牛血清アルブミン(BSA),カルボキシメチルセルロース(CMC),カチオン性セルロースを使用した。サケ白子由来高分子量DNAを0.25%、架橋型高分子を10%含む混合水溶液を調製し、$$gamma$$線を照射した。2日間、超純水に浸漬してゲル分率を測定した結果、線量が高くなるにつれて、ゲル分率が増加し、弾性を持ったゲルを形成した。DNA/CMC混合物では、ゲル分率が最大でも約60%程度であったが、DNA/ゼラチン及びDNA/BSA混合物では、100%であった。乾燥試料1gあたりに吸着された発ガン性物質(アクリジルオレンジ)量は、最大で0.05g(DNA/CMC混合物)吸着することがわかった。照射によって安定なDNAハイブリッドゲルを作製でき、発ガン性物質を吸着することからDNA由来の環境浄化材料への応用が可能である。

口頭

Radiation effects on miscibility of poly(2-chlorostyrene) and poly(vinyl methyl ether) blends

武野 宏之*; 望月 友充*; 長澤 尚胤

no journal, , 

ガラス転移温度に大きな差がある相溶性高分子ブレンドとしてポリ(2-クロロスチレン)[P2CS]とポリ(ビニルメチルエーテル)[PVME]のブレンドを調製し、電子線(EB)を照射したことによる構造変化に伴う相溶性の影響について検討した。100kGyまでEBを照射したP2CS/PVMEブレンドについてGPC,ゲル分率及び曇点を測定した結果、線量の増加とともにゲル分率は増加するが、50kGyまでは分子量の変化はほとんどなく、100kGyで低分子量化する傾向がみられた。曇点は約160$$^{circ}$$Cから150$$^{circ}$$Cに低下し、相分離するスピノーダル分解温度も2$$^{circ}$$Cほど低下した。小角X線散乱を測定した結果、50kGy照射して橋かけしたブレンドには不均一な散乱がみられ、Flory-Huggins相互作用である$$chi$$パラメータが大きくなる。これらのことから、EB照射によりブレンド体に橋かけ構造を導入した結果、ブレンド体の構造変化に対して不均一性が起こり、相溶性が悪くなることがわかった。

口頭

Intrinsic ferroelectric instability in Pb(In$$_{1/2}$$Nb$$_{1/2}$$)O$$_{3}$$; Inelastic X-ray scattering in control of the B-site randomness

大和田 謙二; 廣田 和馬*; 福田 竜生; 筒井 智嗣*; Baron, A.*; 水木 純一郎; 寺内 暉*; 大和 英弘*; 安田 直彦*

no journal, , 

Pb(In$$_{1/2}$$Nb$$_{1/2}$$)O$$_{3}$$(PIN)は、Bサイトのランダムネスの効果により反強誘電から強誘電リラクサーまで幅広い状態を取り得る。われわれは基底状態がBサイトランダムネスの影響で大きく変わることについての理由を探るべく、高分解能X線非弾性散乱を用いてBサイトランダムネスとフォノンの関係を調べた結果、反強誘電領域においても強い強誘電ソフトモードが存在することを明らかにし、次のようなストーリーを提案した。PINにおいては反強誘電不安定性と強誘電不安定性が共存しており、perfectly ordered PINの場合反強誘電不安定性が優勢となっている。そこに、Bサイトランダムネスが導入されると反強誘電不安定性が真っ先に抑制される。一方、強誘電不安定性はランダムネスの影響を受けにくいため、Bサイトランダムネスが導入されても強誘電不安定性は残り、そこで初めて強誘電性が顔を出す。しかし、Bサイトが完全無秩序の場合は長距離秩序には至らないため、ナノスケール強誘電領域にとどまりリラクサー状態が発現する。

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